連載 手のリハビリテーション・第7回
MCP関節臨床編
やさき きよし
1
,
田口 真哉
2
,
古畑 翔太郎
3
Kiyoshi Yasaki
1
,
Shinya Taguchi
2
,
Shotaro Furuhata
3
1目白大学
2丸の内病院
3諏訪湖畔病院
pp.694-697
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200626
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はじめに
今回も,若い2人のセラピストから,異なった分野の症例を提示していただいている.また,その内容も,異なる2つの領域から手の働き(機能)の再構築を目指しているのが興味深い.
一つは,手の基本的な機能である把握動作の再構築につながるMCP関節屈曲域の拡大である.また,もう一つは手の支持機能と密接な関係にある非把握動作の再構築である.前者は,手の幅広い機能の基盤となる動的な機能の再構築である.また,後者は立ち上がり動作等でも役立つ.特に,加齢とともにみられる下肢機能等の低下には,この手の機能の助けが必要となるため,日常生活で意識せずに使われている静的な機能の再構築といえる.今回は,離床とまでは行き着いていないが,日々の生活動作の改善,拡充にはつながっている.
皆さんも,今回の3症例を通して,もう一度手の動的な機能と静的な機能を振り返っていただきたい.
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