特集 めざそう,就職!障害者雇用支援の今
扉
宮崎 宏興
1
,
長野 敏宏
2
,
竹内 さをり
3
1特定非営利活動法人いねいぶる
2御荘病院
3甲南女子大学
pp.407
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200553
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特集にあたって
近年の障害者雇用支援の現状は,就職者数の増加傾向という喜ばしい状況の反面,高い離職率への対応も迫られている.企業サイドからみると,2018年から精神障害者の雇用義務化に加えて,改正労働安全衛生法による従業員へのメンタルヘルスチェック,労働災害補償や傷病による休職の増加とその後の復職対応等,企業が安定的に雇用を維持するための課題も山積している.また,労働者人口の減少,地域産業の衰退化等,それぞれの地域が固有に抱える課題も交錯して,企業や公共職業安定所のみに任せた雇用支援だけでは,障害者等,求職困難者の安定的な新規雇用や雇用継続をしていくことに,今もなお困難な状況が続いていることに変わりはない.
今回の特集では,特例子会社,医療機関とまちの産業を興し続けるNPO,公共職業安定所での専門援助といった,それぞれ異なる立場から雇用支援のあり方や具体的な取り組みについて座談会を実施した.雇用支援に関して,先駆的実践と実績から語られる言葉の中に,「労働観と労働者観」,「企業姿勢」,「障害者雇用支援」,「障害の有無の以前に同じ企業の社員同士」,「ともに働くことでまちをつくる」,「雇用支援におけるOTへの期待」等,いくつもの重要なキーワードが感じとれる,充実した意見交換をぜひご覧いただきたい.
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