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特集 認知症の方を地域で支える
総説:認知症高齢者に対するリハビリテーション介入のレビュー—地域での介入研究を中心に
Review:Rehabilitation intervention for elderly people with dementia in the community
田平 隆行
1
Takayuki Tabira
1
1西九州大学
pp.117-121
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200476
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Key Questions
Q1:認知症のリハビリテーション介入には,どのような報告があるか?
Q2:社会参加,IADL・ADL,運動・認知課題,環境への介入の効果とは?
Q3:地域での作業療法に介入効果をどのように利用するか?
2015年(平成27年)1月,新オレンジプランが発表され1),2025年問題に対する総合的な認知症対策が加速されることとなった.①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進,②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供,③若年性認知症施策の強化,④認知症の人の介護者への支援,⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進,⑥認知症の予防法,診断法,治療法,リハビリテーションモデル,介護モデル等の研究開発及び成果の普及の推進,⑦認知症の人やその家族の視点の重視,である.すべての領域においてOTの活躍が期待されるが,作業療法の有用性を示すためには,特に⑥のリハビリテーションモデルの研究開発は不可欠である.しかしながら,これまで,認知症に対するさまざまな介入研究はなされてきているが,日本における作業療法独自の介入研究は多いとはいえないのが現状である.本稿では,今後の認知症に対するリハの有用性を示していくうえで,社会参加と目標ある活動への介入,IADL・ADLへの介入,運動や認知課題を用いた介入,環境に対する介入に焦点を当てて,これまでの研究報告について概説したい.
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