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Key Questions
Q1:新オレンジプランとは何か?
Q2:新オレンジプラン実現に向けて,日本作業療法士協会は何をしてきたか?
Q3:認知症の人を地域で支えるために,OTは何をすべきか?
はじめに
認知症患者の急増に伴い,2000年(平成12年)の介護保険スタート以来,介護保険において認知症を重視する方向性や,「認知症を知り地域をつくる」キャンペーンをはじめとする国民への啓発活動等,国の施策を中心に認知症を取り巻く環境は多面的な展開をしてきた.その間の学術的研究も進み,関係者や国民の認知症の理解を促進させ,認知症のケアや対応も対象者のこれまでの生き方や生活を大切にするかかわりの重要性が強調されるようになってきた.
2012年(平成24年)6月,厚生労働省認知症施策検討プロジェクトチームが「今後の認知症施策の方向性について」を取りまとめ,同年9月には「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を策定した.さらに,2015年(平成27年)1月27日,団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え,「認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現」を目指し,新たに「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)〜認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて〜」を厚生労働省および関係11府省庁が共同で策定した(図11)).
リハの専門職であるOTは,認知症の方やその家族に対して,医療領域(精神医療も含む),介護保険領域と幅広く対応してきている.本稿では,新オレンジプランを概観し,これまでの認知症に対する日本作業療法士協会(以下,OT協会)の取り組みを示し,新オレンジプランを受けてOT協会が取り組むべき課題を整理する.
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