連載 川モデル・第5回
川モデルの実践—16年間の歩みから
奥田 真由美
1
,
小山 久仁子
2
1岡山県精神科医療センター
2東京都立東部療育センター
pp.1030-1033
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200364
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はじめに
川モデルは,1999年にさまざまな分野のOTの議論から浮かび上がった,人生を川に投影する隠喩を基盤に誕生した.その後も川モデルは,事例検討会や学生指導等を仲介する役目を果たす等,筆者らの話し合いの中心にあった.それは国内にとどまらず,2002年の第13回世界作業療法士連盟大会(スウェーデン)や2003年の第3回アジア太平洋作業療法大会(シンガポール)の会場でも,さまざまな国のOTと言葉の壁を超えて普段の臨床実践を話し合う道具になった.また,国内の実践の中でPTも研究会のメンバーに加わり,職種を超えたつながりができた.2014年の第16回世界作業療法士連盟大会では,世界中からの川モデルを用いた臨床の報告があり,彼らが柔軟かつ自由に,対象者と共に川モデルを用いていることに感動した.2014年11月には東京大学で行われたセミナーの中で,べてるの家のメンバーに川モデルを使って自分の暮らしを話してもらった.このように川モデルは年齢,立場,国境を超えて生活を話し合うツールとして機能し,さまざまな発見を筆者らにもたらしてくれている.今回は筆者らがこの川モデルをどのように使っているか紹介したい.
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