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川モデルとの出会い
2004年(平成16年),教員をしていた筆者は,「文化に関する論文を書いた著者と連絡がとりたい」と,友人である米国のOTから連絡を受けた.論文の著者はMichael Iwama氏であり,その論文にはIwama氏自身の日本での経験から学んだ西洋と東洋の違い,文化と作業療法について書かれていた1).その後,Iwama氏の教え子であるOTや,以前に川モデルを学んだ経験のあるOTから川モデルについて学ぶ機会があり,川モデルの概要については知ることができた.
2006年(平成18年),筆者は初めて英国のOT学会に参加した.自身の発表は日常生活活動に関するものだったが,ワークショップの事前登録をする際に「川モデル」のワークショップを見つけて驚いた.海外で川モデルがどのような様子か,興味をもって参加した.ワークショップは川モデルの概要説明から始まり,「自分の川を描いてみる」ことで川モデルを体験するものであった.ワークショップは多くの参加者であふれ,活発に議論が行われていた.海外で,日本のことを話すワークショップに日本人が参加するという奇妙な体験だった.その4年後,英国のOT学会への2度目の参加で,「Exploring Spirituality in Occupational Therapy Practice(作業療法実践におけるスピリチュアリティの探求)」というワークショップに参加した.少人数のグループで臨床実践について話し合ったのだが,メンバーの1人である熟練したOTから,「川モデルこそがスピリチュアリティだ」という発言が聞かれた.グループ参加者は皆,川モデルのことを知っていた.その後も参加した英国のOT学会ではいつも,川モデルを使った事例検討や教育形態の検討,川モデルの特徴を検討したもの等,川モデルに関するポスターを見つけることができた.英国での川モデルの人気に驚き,筆者自身も川モデルに対してさらに興味をもつことになった.
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