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Key Questions
Q1:「作業療法士=OT=人」としての悩みとは?
Q2:作業療法の「必要十分条件」とは?
Q3:作業療法の「必要十分条件」を考慮した提言とは?
はじめに
筆者は鹿児島県において起業し,現在,有限会社という形態でリハビリテーション活動重視型デイサービス(以下,リハ・デイ),運動重視型短時間デイ,個別ケア重視型寄り添いデイ,訪問看護ステーション,介護保険外旅支援事業「愛たび倶楽部(皆で行く旅)」,「マイたび倶楽部(個人または少人数で行く旅)」,地域コミュニティカフェ「ゆい」,コミュニティプラザ 体験ピザ窯「ゆいまーる」等,4拠点11事業を展開している.
地域でリハの受け皿をつくりたいとの想いから,一念発起して21年間にわたる病院勤務に終止符を打ち起業した.現在,当社の理念「あなたを愛で支えます.地域でリハ理念を実現します」を合言葉に,75名のスタッフと共に情熱をもって歩んでいる.
今回,編集部から「作業療法は多様性に満ち溢れ,『これこそ作業療法だ』と断言することが難しい.リハが地域生活の場で行われることがあたり前となり,多様性や柔軟性が求められ,それに応えてこその特性ともいえる.OTは何をする者であり,作業療法の存在理由(存在価値)とは何かについてあらためて問い,さらには未来の作業療法の可能性についても考える機会としたい.特集テーマは,『アイデンティティに迫る—社会的ニーズへの挑戦』とした.作業療法のアイデンティティとは何かについて総論として提言をお願いしたい」との依頼があった.
作業療法のアイデンティティとは何か,OTらしいと言えば誠にOTらしい「シャイで正直で和(和らぐ)を貴ぶ真面目な」悩んでいる姿勢が浮んでくる.筆者は,OTになって31年目を迎えるが,実はいまだにOTは何ぞやと問い続けている.
しかし,問い続ける姿勢は貴重であるが,わが国は超少子高齢社会に突入し,2025年問題に伴う医療と介護の再編成,地域包括ケアシステムの構築,地域総合支援事業の導入,認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)等,われわれOTが地域で明確な役割と責任を果たすことが求められている待ったなしの現実がある.
いつの間にか,OTになって30年以上も経過し,気づいたら教えていただく立場から,教える立場に立ち,指導すること導くことを求められている筆者がいる.責任は重大である.
本論では,私論として,筆者が到達した「マイOTアイデンティティ」獲得の過程の紹介と,OTの当事者としての「今なすべきこと,そしてこれからなすべきこと」について提言したい.
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