今月の主題 癌治療の最前線
放射線療法
照射療法に必要な条件
橋本 省三
1
,
田中 幸房
1
1慶大放射線科
pp.1098-1099
発行日 1977年8月10日
Published Date 1977/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207306
- 有料閲覧
- 文献概要
悪性腫瘍に対して放射線治療が成立し得るのは,腫瘍細胞と正常細胞との間に放射線感受性の差があるからである.放射線治療に際して最も重要なことは,目的とする腫瘍が治療可能であるか否かを見きわめ,その条件を見出すことである.局所の条件として腫瘍自体の種類,性質,周囲組織の状態,全身的なものとしては患者の全身状態など,照射を受ける側の諸条件と放射線の種類,装置,照射方法,線量など,照射する側の諸条件によって変わってくる.放射線治療医は,いかにして条件を有利なものにするかを研究努力しているわけである.照射する側の条件については他に譲り,ここでは放射線治療の成否を支配する,照射される側の条件について述べてみる.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.