特集 看護学生がゆきづまる時/揺れ動く心に潜むもの
看護を学ぶ者のアイデンティティ
藤田 千鶴子
pp.24-28
発行日 1981年1月25日
Published Date 1981/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907509
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教育について考えてみようと思ったのは,ちょうど1年前のことである.それは,入学以来,日ごとに生気を失っている自分に気づいた時でもあった.
教育をうけているのに,学んでいる実感の乏しい現実.しかも,この3年間は自己のアイデンティティを模索している時期である.そのことを思うと,時間に追われ,我を忘れ,白昼夢のうちに経過していく一刻一刻が,取り返しのつかない重さをもって迫って来はじめた.それ以来,看護や教育の中心部分を未整理にしたままでは,臨床実習も先に進めないのではないか,と思い始めたのである.
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