Japanese
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特集 コミュニケーション能力と作業療法
認知機能に障害のある人とのコミュニケーション
Communication with people with disabilities in cognitive function
山口 智晴
1
Tomoharu Yamaguchi
1
1群馬医療福祉大学
pp.399-403
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200210
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Key Questions
Q1:social cognitionとコミュニケーションの関連は?
Q2:認知症におけるsocial cognitionとは?
Q3:認知症者と家族のコミュニケーションの問題は?
はじめに
高次脳機能障害や認知症の人は,社会で生活するために周囲の人から何らかの支援が必要になる場合が多く,住み慣れた地域で在宅生活を継続するには,介護家族や支援者とのコミュニケーションが重要になる.円滑なコミュニケーションには,言語機能のみでなくsocial cognitionや心理社会的側面への配慮も必要であり,神経学的基盤から環境までを幅広く踏まえて支援ができる作業療法が果たす役割は大きい.本稿では,高次脳機能障害と認知症におけるコミュニケーション障害について,言語機能とsocial cognition,心理社会的側面の3視点からまとめる.
なおsocial cognitionとは,他者の表情や情動の認知,他者の意図理解(こころの理論),比喩皮肉の理解や場面や文脈の情報を手がかりに,言葉の裏にある意図や意味を推測する語用論等,社会で円滑な人間関係を構築しながら生活するために必要な,非常に重要かつ高度でフレキシブルな認知機能を指す.
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