増刊号 認知症と作業療法
第2章 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法の実際
3 認知症初期集中支援チームにおける作業療法士のかかわり
山口 智晴
1,2
Tomoharu Yamaguchi
1,2
1群馬医療福祉大学
2前橋市認知症初期集中支援チーム
pp.656-661
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200271
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認知症初期集中支援チームについて
1.認知症初期集中支援推進事業実施までの背景
2012年(平成24年)9月に厚生労働省老健局より「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」が公表され,認知症になっても本人の意思が尊重され,できるかぎり住み慣れた地域で暮らし続けることができる社会の実現に向けた具体策や数値目標等が提示された1).その中で認知症の早期診断・早期対応に対する具体策の1つとして,医師や看護職員,OT,介護福祉士等の専門家チームを地域包括支援センター等に配置し,認知症の人やその家族に早期にかかわる認知症初期集中支援チーム(以下,チーム)が位置づけられた.これは英国の国家戦略Living well with dementia:A National Dementia Strategyにおける,早期診断・支援のためのメモリーサービスがモデルとされる.
これまでの経緯としては,平成24年度に老人保健健康増進等事業「認知症の初期集中支援サービスの構築に向けた基盤研究事業」にてモデル事業のスキームが検討され,2013年度(平成25年度)から全国14カ所で認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業が行われた2).2014年度(平成26年度)は全国41カ所で認知症初期集中支援事業が展開された.2015年度(平成27年度)には地域支援事業(包括的支援事業)として全国の市町村で順次取り組み,2017年度末までに全市町村での機能付与が目標とされている3).
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