Japanese
English
症例報告
車いす駆動時の下肢操作に対する運動イメージ生成の介入効果
The intervention effect of generating motion imagery for operating lower limbs when propelling a wheelchair
太田 康介
1
,
成田 秀美
2
Kosuke Ota
1
,
Hidemi Narita
2
1介護老人保健施設はくじゅ
2弘前医療福祉大学
キーワード:
失行
,
異種感覚統合
,
車いす操作
Keyword:
失行
,
異種感覚統合
,
車いす操作
pp.988-991
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100632
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Abstract:本症例は,車いす駆動時に非麻痺側下肢の拙劣さから移動に介助を要していた右片麻痺者である.症例の車いす駆動に対する非麻痺側下肢操作の拙劣さを,左脳病変に特徴である失行症の認知科学的な機序を基に,行為の前提である視覚,聴覚,体性感覚といった異なる感覚情報の統合不全,特に視覚と体性感覚(異種感覚)における情報交換障害と解釈した.感覚情報の統合は運動イメージの生成を促し,パフォーマンスを向上させる.そのための方法として,視覚と体性感覚情報等の感覚統合課題を3カ月間実施した.結果,駆動時の非麻痺側下肢の拙劣さは軽減され,10m駆動所要時間(102秒から54秒)および非麻痺側下肢の駆動回数(68回から36回)は顕著に改善しほぼ自立に至った.また,本症例の内観(運動イメージ)にも変化がみられ,認知科学的なアプローチである運動イメージの生成課題は,運動パフォーマンスを改善する有効性が示唆された.
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