Japanese
English
特集 動作分析
車椅子駆動の動作分析―駆動トルクと筋活動パターン
The Analysis of Wheelchair Driving Motion: Torque to Handrim and the Pattern of Muscle Activities in Upper Extremity.
田中 理
1
,
伊藤 利之
2
,
飯島 浩
1
,
大井 進
1
,
藺藤 全孝
1
,
安藤 徳彦
1
Osamu Tanaka
1
,
Toshiyuki Ito
2
,
Hiroshi Iijima
1
,
Susumu Oi
1
,
Masayoshi Ito
1
,
Norihiko Ando
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
2横浜市大病院リハビリテーション科
1The Kanagawa Rehabilitation Center.
2Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University, School of Medicine.
キーワード:
駆動トルク
,
筋活動パターン
,
車椅子
Keyword:
駆動トルク
,
筋活動パターン
,
車椅子
pp.251-257
発行日 1982年2月10日
Published Date 1982/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104699
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はじめに
車椅子は下肢障害者の移動機能を代償する重要な移動手段として最も広く利用されている道具の一つである.
車椅子の推進は,特別の場合(例えば,片麻痺患者のように足で蹴って推進する等)を除いて,上肢でハンドリムを駆動することによって行われる.従って,車椅子である運動をするには,それに見合った駆動能力を必要とする.そのため,上肢機能にまで障害が及ぶ身体障害者が車椅子を利用する際には,車椅子を駆動することそのものが困難となり,移動に多くの支障をきたす.
それでは,日常生活の移動を車椅子で行うには,どのような駆動能力が要求されるのであろうか.これを知る手始めとして,われわれは車椅子駆動に必要な力と,それを出力する原動力となる上肢の筋活動を分析してきた.このような点が明確にされれば,車椅子生活を余儀なくされる身体障害者に対して,車椅子の訓練プログラムを合理的に作成する上で,また適切な車椅子(電動車椅子までを含めて)を選択する上で,有効な指標を与えることができるであろうし,生活環境の整備方法についても具体的に示唆することができよう.さらには,今後どのような車椅子を開発しなければならないかという点についても,重要な基礎資料を提供することができよう.
そこで本稿では,われわれの手法を紹介するとともに,得られた結果に基づき考察を加えたい.
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