増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第3章 支援技術Ⅱ 急性期から回復期の個別性を重視した介入(事例報告)
1 高次脳機能障害がある方への作業療法 ②プッシャー症候群
渕 雅子
1
Masako Fuchi
1
1特定医療法人社団三光会 誠愛リハビリテーション病院
pp.659-664
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100556
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はじめに
高次脳機能障害は目に見えにくい障害といわれ,その障害を見過ごしたり,十分な介入や対応がなされないことが多々ある.その中において,プッシャー症候群はさまざまな病態の一群であり,原因もはっきりしないことから,介入が難しい障害である.しかし座位保持や立位保持を困難とし,介護量の増大を引き起こし,さらには重篤なADL障害を呈すため,その対応については,かかわる多職種間で十分に確認し,統一した介護,介入が必要となる.また,ADLへのかかわりを中核とするOTは,この障害の理解と解釈,適切なかかわり方のリーダーシップをとる役割があると考える.本稿では,プッシャー症候群の概要と症例を通しての理解と介入について紹介する.
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