増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第3章 支援技術Ⅱ 急性期から回復期の個別性を重視した介入(事例報告)
1 高次脳機能障害がある方への作業療法 ④失行
大貫 友理衣
1
Yurie Onuki
1
1会田記念リハビリテーション病院
pp.672-677
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100558
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はじめに
失行とは,学習された意図的行為を遂行する能力の障害であり,中枢神経系の損傷によって生じる1).麻痺や感覚障害,運動失調,不随意運動等の運動障害,失語や失認,認知症等の了解障害,全般的注意障害,動作遂行のための感覚によるフィードバックの障害等では説明できないものとされる.基本的に右利きでは左半球損傷で左右上肢に症状がみられることが多く,失語と合併して起こることが多いが,失語とは独立して生じる.失語による理解障害であれば模倣や物品使用は障害されず,視覚失認であれば言語指示での操作や模倣が可能である.知能検査や記憶検査を用いて認知症との鑑別を行うことも重要である.
今回は誌面の制約上,観念失行および観念運動失行を中心に述べる.
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