連載 医師国家試験から語る精神・神経疾患・9
フィッシャー症候群の診断根拠を述べることはできますか?
古賀 道明
1
1山口大学大学院医学系研究科臨床神経学
キーワード:
フィッシャー症候群
,
ギラン・バレー症候群
,
診断基準
Keyword:
フィッシャー症候群
,
ギラン・バレー症候群
,
診断基準
pp.1077-1080
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202475
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48歳の女性。ふらつきと複視を主訴に来院した。10日前に38℃の発熱と咽頭痛が出現したため自宅近くの診療所を受診し,感冒として投薬を受け,7日前に症状が軽快した。2日前からテレビの画面が二重に見えることに気付いた。昨日から,歩行時にふらついて転びそうになることが増えてきた。これらの症状が徐々に進行してきたため受診した。意識は清明。体温36.5℃。脈拍68/分,整。血圧120/68mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察では,両眼とも垂直,水平方向の眼球運動制限を認め,正面視以外で複視を自覚する。眼振は認めない。四肢筋力は正常だが,四肢腱反射はすべて消失している。Babinski徴候は陰性。膝踵試験は両側とも拙劣で,歩行は可能だが歩隔は広く不安定である。感覚障害は認めない。尿所見,血液所見に異常を認めない。
この患者と同様の発症機序と考えられるのはどれか。
a 重症筋無力症
b 多発性硬化症
c 進行性核上性麻痺
d 筋萎縮性側索硬化症
e Guillain-Barré症候群
(第115回A39)
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