連載 ご当地作業療法・第3回
郷土料理 冷汁を活かした作業の紹介
濱田 正貴
1
Masataka Hamada
1
1デイサービス自由ヶ丘
pp.481-483
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100511
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はじめに
筆者は,在宅で介護が必要な方を地域で支える一役として通所サービスを展開している.その中で,利用者,家族,ケアマネジャー等の想いを受け止め,利用者が自立した生活を送るためにはどのような作業を提供していくのがよいかを考える必要がある.人は,物事を判断するときに,「外からの情報」を,個人個人の「ものの見方や考え方」を使って処理しているため,新しい経験をすることに対し,後手を踏むことがある.利用者の満足や実行を得るためには,自尊心を高めていくことやその人らしさを活かしながら,興味ある活動を提供していくことが大切である.
ある時,県外の友人に「宮崎はサボテンを食べるの?」と訊かれびっくりしたことを思い出した筆者が,かつて日南市にあったサボテン公園(食堂にサボテンステーキというメニューがあった.ちなみに宮崎で日常的にサボテンを食べることはない)のことを利用者に訊くと,おのおのの時代の思い出話に花が咲いた.彼らが若かりしころの出来事を楽しそうに話す姿をみて,宮崎ならではの作業を行うと,利用者の日ごろとは違う一面を引き出すことができるのではないかと感じていた.今回,宮崎の郷土料理である冷汁を一緒につくることにより,その後の生活が変化した事例を紹介したい.
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