連載 作業療法士のための組織マネジメント入門・第2回
計画と組織化
村山 幸照
1
Yukiteru Murayama
1
1社会医療法人財団慈泉会 本部 経営戦略部
pp.1057-1062
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203510
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はじめに
連載初回の「作業療法士と組織マネジメント」では,作業療法士がマネジメントを学ぶ必要性と価値についての筆者の考えを論述した.第2回となる本稿では,「計画と組織化」について論述する.
20世紀初頭,フランスの企業経営者であるJule Henri Fayol(1841-1925)は,マネジャーが行うべき行動を,「①計画する」,「②組織化する」,「③リーダーシップを発揮する」,「④コントロールする」の4つに集約した1).マネジャーが行うべき4つの行動は,組織での地位によってそれぞれ比重が異なる(図 1)2).たとえば,「③リーダーシップを発揮する」という行動は,リーダーや主任に当たる第一線マネジャーの行うべき行動の51%を占めるが,部署長等の監督者に当たるミドル・マネジャーでは36%,管理職に当たるトップ・マネジャーでは22%と異なる.つまり,リーダーシップを発揮するという行動は,地位が上がるにつれて段階的にその比重は縮小していくということである.これに対し,「①計画する」,「②組織化する」,「④コントロールする」という行動は,地位が上がるにつれて段階的にその比重は拡大していくことがわかる.
本稿では,マネジャーが行うべき4つの行動のうち,前半の「①計画する」と「②組織化する」の2つに焦点を当て,組織マネジメントを行ううえで,どのように目標を定めて計画するのか.そして,組織目標を達成するためには,どのような組織化が有用なのかを理解することを目的とする.
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