連載 作業療法士のための組織マネジメント入門・第3回【最終回】
リーダーシップとコントロール
村山 幸照
1
Yukiteru Murayama
1
1社会医療法人財団慈泉会 本部 経営戦略部
pp.1156-1161
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203541
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はじめに
連載第2回の「計画と組織化」では,マネジャーが行うべき4つの行動(①計画する,②組織化する,③リーダーシップを発揮する,④コントロールする)の前半部分である「計画する」と「組織化する」について論述した.「計画する」では,意思決定および課題の明確化等に触れ,「組織化する」では,チームビルディングおよびチームワーキング等の要領について触れた.また,「計画と組織化」の実践例として,当院における「患者経験向上チーム」の発足からチームが拡大するまでのマネジメントの軌跡を紹介した.
筆者は,日本作業療法士協会認定作業療法士取得研修「管理運営」の講師受嘱の経験や,全国病院経営管理学会リハ専門委員会の正幹事としての活動を通じて,マネジャーの役割を担うリハ専門職との交流の機会は多い.そこで聴くマネジャーの多くの悩みは,「動機づける」ことであった.作業療法やリハは,対象者の主体性をいかに引き出すかによって効果が左右する印象がある.つまり,OTを含むリハ専門職は,他者を動機づける能力が生業で求められながら,組織メンバーあるいはスタッフを動機づけることに悩んでいる現実がある.「動機づける」ことは,マネジャーが行うべき4つの行動のうちの,「リーダーシップを発揮する」と「コントロールする」と親和性の高いマネジメントである.
そこで連載の最終回となる本稿では,マネジャーが行うべき4つの行動のうち,後半の「リーダーシップを発揮する」と「コントロールする」に焦点を当て,リーダーシップの可視化の手法や動機づけの基礎,コンフリクトに対するマネジャーとしての交渉の考え方を理解することを目的とする.
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