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特集 若年性認知症
医療の立場から―若年性認知症の医学的知識
Medical knowledge for early onset dementia
柴田 展人
1
,
新井 平伊
1
Nobuto Shibata
1
,
Heii Arai
1
1順天堂大学
pp.1208-1211
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100288
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Key Questions
Q1:若年性認知症の実態は?
Q2:若年性認知症をどのように診断していくのか?
Q3:主な若年性認知症は?
はじめに
認知症の定義は,正常に発達した知的機能が後天的な器質的障害によって持続的に低下し,日常生活や社会生活に支障をきたす状態とされる.知的機能とは,記憶,思考,見当識,理解,計算,学習,言語,判断等,多数の高次脳機能を含んでいる.その状態はせん妄等の意識障害のないときにみられることが条件である.認知症の原因となる疾患は非常に多岐にわたる.
若年性認知症(early-onset dementia)は65歳以下でこのような状態がみられ,18~44歳で発症する若年期認知症と,45~64歳で発症する初老期認知症の二群の総称である.若年性認知症は家庭や職場での役割の大きい世代で発症することから,経済,医療,ケア等で多くの問題があり,今後の課題も山積している.本稿では本邦における若年性認知症の有病率等の実態について紹介し,診断,特有の病態等について概説する.
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