特集 アルツハイマー型認知症診療のBreakthrough
若年発症アルツハイマー型認知症の特徴
柴田 展人
1
1順天堂大学医学部精神医学教室准教授
キーワード:
家族性アルツハイマー病
,
軽度認知機能障害
,
混合病理
,
アミロイドカスケード
Keyword:
家族性アルツハイマー病
,
軽度認知機能障害
,
混合病理
,
アミロイドカスケード
pp.35-38
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.07_0035-0038
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「はじめに」若年発症アルツハイマー型認知症(early-onset Alzheimer's disease;EOAD)は65歳以下で認知症状が出現し,18~44歳で発症する若年期アルツハイマー型認知症と45~64歳で発症する初老期アルツハイマー型認知症の2群の総称である。EOADは家庭や職場での社会的役割の大きい世代で発症することから,経済,医療,ケアなどで多くの問題が指摘されている。高齢者の認知症を前提とした現行の医療・介護の体制では対応しきれない課題が多く,新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)にも若年性認知症対策が盛り込まれるなど,対策が進みつつある。本稿ではEOADの診断,特有の病態などについて概説し,典型的な症例について提示する。「Ⅰ.EOADの特徴」朝田らの厚生労働科学研究による推定によると,全国の若年性認知症患者数は約3.78万人と算出されている1)2)。最近では,メディアなどでの情報,啓発もあり,社会的な認知とともに,おそらくはもっと多くの症例が診断されているものと思われる。その内訳についてはさまざまな報告があるが,外来診療場面で経験されるのは,おそらく半数以上はアルツハイマー型認知症ではないかと考えられる。「KEY WORDS」家族性アルツハイマー病,軽度認知機能障害,混合病理,アミロイドカスケード
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