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特集 痛みと作業療法
慢性の痛みにおける心理的評価と認知行動療法
Psychological assessment and cognitive behavioral therapy for chronic pain
笠原 諭
1
1東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
pp.37-43
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100009
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Key Questions
Q1:“心因性の”という言葉の意味は?
Q2:テストバッテリーとは?
Q3:認知行動療法とは?
はじめに
慢性の痛みには,少なからず心理社会的な要因が関連しており,それらを適切に評価することは非常に重要である.そして,それらを評価したうえで認知行動療法を行うと,より効果的な介入が可能となる.認知行動療法とは,ある出来事に対する認知(とらえ方)と行動を変えることで,問題への効果的な対処の仕方を習得させる治療法である.この治療法では心理教育を重視し,患者が患者本人のカウンセラーとなり,症状の再発を予防できるという点に大きな価値がある.国際的にもこの認知行動療法は慢性疼痛の重要な治療法として認識されており,その有効性が実証されている1).本稿では,慢性疼痛患者の心理面の特徴と評価方法にふれ,認知行動療法の理論と具体的な実践方法を述べていく.
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