Japanese
English
症例報告
慢性痛患者に対する痛み行動日記を用いた心理社会的介入
Psychosocial approach using the pain action diary for patients with chronic pain
田中 陽一
1
,
佐藤 剛介
1
Yoichi Tanaka
1
,
Gosuke Sato
1
1奈良県総合リハビリテーションセンター
キーワード:
痛み
,
認知行動療法
,
痛み行動日記
Keyword:
痛み
,
認知行動療法
,
痛み行動日記
pp.1323-1326
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201146
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Abstract:慢性痛を有する患者に対し,痛み行動日記を用いた介入を行った.患者は60代男性で,事故により全型の右腕神経叢損傷を受傷し,患側上肢に自発痛を生じるようになった.在宅生活では部分的な介助を必要とし,仕事も退職を余儀なくされた.今回,受傷より1年以上経過した患者に対し,週1回の外来作業療法に加え,痛み行動日記を用い,自宅生活での様子を共有しながら介入を実施した.3カ月の介入の結果,7日平均の疼痛強度が減少し,破局化,自己効力感,QOLの改善が得られた.また,日中の活動性も向上し,屋外で過ごす時間が増えたと記述した.
痛み行動日記を導入し,自宅生活での様子を共有しながら介入を行うことで,日中の活動量が増し,疼痛強度,心理的評価に改善が得られた.本症例においては,妻や他者を意識した目標設定を取り入れたことが,心理社会的側面に影響を及ぼし,疼痛強度の軽減に至ったのではないかと考えられる.
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