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第1土曜特集 痛み――慢性痛研究の最近の話題と将来展望
治療
慢性疼痛に対する遠隔認知行動療法
Videoconference based cognitive behavioral therapy for chronic pain
田口 佳代子
1
Kayoko TAGUCHI
1
1千葉大学子どものこころの発達教育研究センター
キーワード:
心理社会的アプローチ
,
認知行動療法(CBT)
,
telemedicine
,
videoconference-CBT
,
統合的CBTプログラム
,
stepped-careモデル
Keyword:
心理社会的アプローチ
,
認知行動療法(CBT)
,
telemedicine
,
videoconference-CBT
,
統合的CBTプログラム
,
stepped-careモデル
pp.106-112
発行日 2021年7月3日
Published Date 2021/7/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27801106
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慢性疼痛における遠隔医療は昨今活発に検証されている.とくに心理・社会的アプローチとしての遠隔による認知行動療法(CBT)はinternet-delivered CBT(ICBT),web-based CBT,telemedicine,そしてvideoconference-CBTとさまざまな名称が用いられているが,それぞれは厳密には異なっている.最も大きな違いは,患者自身が行うセルフヘルププログラムなのか,治療者とともに行う対面プログラムなのかという点である.遠隔で提供されるCBTは,疼痛強度や痛みによる日常生活への干渉に対して小程度の有効性が示されているが,そのほとんどはセラピストを必要としないセルフヘルププログラムである.しかし,慢性疼痛の症状の多様性に鑑みると,videoconference-CBTのような,セラピストとともに行う介入含めた治療体制が必要である.どのような痛みの患者に,どのようなタイミングで,あるいはどのような順番で提供することがより有効的であるかのフローを整備し,適切なstepped-care(段階的ケア)を構築していくことが期待される.
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