特集 認知行動療法
慢性疼痛に対する認知行動療法
中島 恵子
1
Keiko Nakashima
1
1帝京平成大学大学院臨床心理学研究科
キーワード:
認知行動療法
,
ストレス対処
,
構造化されたチーム医療
Keyword:
認知行動療法
,
ストレス対処
,
構造化されたチーム医療
pp.1111-1117
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200062
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はじめに
リハビリテーション医療は,神経・筋・骨格系の運動障害を主な治療対象とするが,機能障害の診断,評価項目は,成長,発達,高次脳機能障害,排泄障害など多岐にわたっているため,機能障害から派生する能力低下,社会的不利の把握は重要である.治療は,機能障害の回復はもとより,機能障害による生活あるいは社会への不適応状態を改善し自立をめざすことにある.そのため,リハビリテーション医療は,身体障害への評価・トレーニングと心理・社会的障害への評価・トレーニングを同時に行うチーム医療である.
病気や事故などの後遺症(障害など)から,これまでの人生の基盤となっていたさまざまな事柄を失うことによって生じる感情は多様である.「回復への願望」「挫折感」「閉塞感」「失望感」「不安感」「抑うつ感」「恐怖感」などの感情は,セルフエスティーム(自分の存在価値)を低下させることがある.このような心理・社会的障害には,適切な評価に基づく早期からの治療介入が必要である.
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