特集 小児に対する内視鏡下手術—up to date
〔エディトリアル〕小児に対する内視鏡下手術
森川 康英
1
1慶應義塾大学医学部小児外科
pp.265
発行日 2005年6月15日
Published Date 2005/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900596
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1993年に肥厚性幽門狭窄症に対する内視鏡手術成功例がわが国で初めて報告されてから12年が経過し,その後の小児外科疾患に対する内視鏡手術の応用は対象疾患と症例数の増加からみて今昔の感がある.日本内視鏡外科学会雑誌ではこれまで第2巻4号(1997年8月号)と第4巻6号(1999年12月号)に小児外科疾患に対する内視鏡外科が特集として取り上げられたが,さらにその後の適応拡大と進歩は著しい.
本特集は現在における小児内視鏡外科のcut-ting edgeをそれぞれのエキスパートに提示していただくと同時に,長期成績についてもはじめて触れていただくこととなった.手術の安全性と低侵襲性を車の両輪としてつねに追求する姿勢がこの分野では必要であるが,機能を温存する点においても内視鏡外科が小児外科疾患にとって有用であるかについて示される必要がある.また,新生児や乳幼児に対する内視鏡外科が一部の名人芸で行われているようでは今後の発展も期待できない.手術の標準化も今後の重要な課題である.執筆をお願いした方々はいずれも早くから小児の内視鏡外科にたずさわり,それぞれの分野におけるリーダーとして活躍しておられる.この点で,本特集がガイドライン作成や技術認定にとっても有用な情報をもたらすことができれば編者の意図が十二分に達成されたものと喜びたい.
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