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特集 乳癌の手術:最適化への論点
エディトリアル
The dilemma toward ideally individualizing the surgical treatment of breast cancer
田島 知郎
1
Tomoo TAJIMA
1
1東海大学医学部外科
キーワード:
乳房温存治療
,
インフォームド・コンセント
,
腋窩リンパ節郭清
Keyword:
乳房温存治療
,
インフォームド・コンセント
,
腋窩リンパ節郭清
pp.11-17
発行日 1999年1月20日
Published Date 1999/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903486
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はじめに
乳癌に対する診療は多面的に大きな様変わりを続けている.なかでも根治療法としての乳房温存治療の急速な増加には,ある種の戸惑いを感じている外科医も多く,最善の治療法として完成した標準的,定型的な術式が確立されきったとは言えない現状の中で1),社会からのプレッシャーも加わって,追い込まれて施行しているように見受けられる場面もある.
乳房温存手術としては,乳腺実質部分が関わる部分と腋窩リンパ節郭清が関わる部分とがあり,現在の論点は世界的にも前者から後者の問題に移りつつあるが2),かと言って乳腺実質部分の問題に決着が付いたというわけではない.腋窩リンパ節に関しては,その郭清の有無が予後に直接には関係しないのではないかと考え始めている乳腺外科医の姿勢が一般・消化器外科医にはどう映っているのであろうか.本特集では論点を明確にする意味で,それぞれを別項目として扱う企画とした.
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