内視鏡外科手術に必要な解剖と術野の展開・20
肝
金子 弘真
1
1東邦大学医学部附属大森病院消化器外科
pp.291-294
発行日 2004年6月15日
Published Date 2004/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900501
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はじめに
Minimally invasive surgeryとして急速に普及した内視鏡下手術は,肝においては1990年前半には肝嚢胞に対する開窓術が主流であった.しかし,1990年後半には肝癌を中心とした悪性腫瘍に応用され,凝固壊死療法と肝切除術の2つの術式が選択されるようになってきた.凝固壊死療法に関しては腹腔鏡と胸腔鏡の2つのアプローチがあり,われわれは横隔膜直下の肝上区域に局在する腫瘍に対しては胸腔鏡下凝固壊死療法を,切除可能な肝下区域の表面や辺縁,外側区域に局在する腫瘍に対しては積極的に腹腔鏡下肝切除術を行っている1).
本稿では,われわれの経験をもとに,主に内視鏡下肝切除術に必要な解剖と術野の展開,およびその適応について概説する.
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