Japanese
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特集 肝・胆・膵領域における腹腔鏡下手術の最前線
肝臓領域
腹腔鏡下肝部分切除術
Laparoscopic partial hepatectomy
金子 弘真
1
,
片桐 敏雄
1
,
前田 徹也
1
,
鏡 哲
1
,
土屋 勝
1
,
田村 晃
1
,
鈴木 孝之
1
,
大塚 由一郎
1
Hironori KANEKO
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器外科
キーワード:
腹腔鏡下手術
,
腹腔鏡下肝切除術
,
肝部分切除術
Keyword:
腹腔鏡下手術
,
腹腔鏡下肝切除術
,
肝部分切除術
pp.771-776
発行日 2008年6月20日
Published Date 2008/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102152
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要旨:腹腔鏡下肝部分切除術を完遂するには出血の制御が最も重要である.そのためには肝切離に用いる手術機材の特徴や出血時の対処法に熟知した,肝実質の切離層に応じた使い分けや併用が必要である.特に腹腔鏡下肝部分切除では,肝切離面に露出する脈管を丹念に処理しながら浅い層から深い層へ実質切離を進め,切離面の可動域を増やすことによって,2次元でしかも視野の固定された腹腔鏡下手術の弱点を補うことができる.適応を考えるうえできわめて重要な点は解剖学的局在で,Couinaudの分類ではSegmentⅡ,Ⅲ,Ⅳ下,Ⅴ,Ⅵがよい適応になる.現時点で腹腔鏡下肝切除術は広く普及した術式とはいえないが,低侵襲手術として本術式が最も適した症例があることをわれわれはその経験から確信しており,今後さらなる手術機器の改良と適切な使用,および肝の解剖学的特性の理解,術野の展開を工夫して手術手技を研磨することにより,腹腔鏡下肝切除が低侵襲手術の1つとして確立された術式になると考えている.
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