カラーグラフ 内視鏡外科手術に必要な局所解剖のパラダイムシフト・7
腹腔鏡下肝切除術
金子 弘真
1
,
前田 徹也
1
,
片桐 敏雄
1
Hironori KANAKO
1
1東邦大学医学部附属大森病院消化器外科
pp.415-419
発行日 2005年4月20日
Published Date 2005/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100052
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はじめに
近年の機器の開発・改良によって内視鏡下手術の適応疾患は急速に拡大された.しかしながら,肝疾患に対する腹腔鏡下肝切除術も多くの施設で行われるようになってきているものの,現状ではいまだ普及し定着した手術とは言えない.その最大の原因として,肝臓の内視鏡下手術における位置関係と,きわめて豊富な脈管構築からなる実質臓器という解剖学的特殊性が挙げられる.このため,minimal invasionを特徴とした腹腔鏡下手術の応用は他分野に比べて制限されているが,その解剖を熟知し,安全性の高い手術手技を確立することによって新たな展開が期待される分野でもある1~3).
本稿では,腹腔鏡下肝切除術における解剖のパラダイムシフトについて概説する.
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