肝切除をめぐる最近の話題
腹腔鏡下肝切除はどこまでできるか
大塚 由一郎
1
,
金子 弘真
1東邦大学 外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
肝機能検査
,
術後合併症
,
腹腔鏡法
,
肝不全
,
コンピュータ支援手術
,
ロボット
Keyword:
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Liver Function Tests
,
Laparoscopy
,
Postoperative Complications
,
Liver Failure
,
Surgery, Computer-Assisted
pp.1209-1212
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013380254
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近年の肝臓外科領域において,低侵襲性外科手術である腹腔鏡下肝切除術の進歩はめざましいものがあり,この流れは本邦のみならず世界的にみても同様である.開腹でさえも高難度とされる術式の多い肝切除術であるが,徐々に鏡視下手術の有効性が示され,症例が積み上げられてきている.さらに宿主・腫瘍・術式それぞれの因子について,これまでの困難を克服しようとする工夫も重ねられる中,かつては技術的にむずかしいと考えられていた鏡視下のmajor hepatectomyでさえも定型化のきざしがみえはじめている.さらに,小さな傷での"大手術"やロボット技術の応用による精度や安全性向上について言及する報告も出てきている.今後,肝臓外科領域での鏡視下手術における技術的限界はさらに押し広げられ,その成績も近い将来,開腹術と肩を並べるようになるかもしれない.
©Nankodo Co., Ltd., 2013