特集 肝疾患に対する腹腔鏡下手術
〔鼎談〕肝疾患に対する腹腔鏡下手術—器具の選択と手術の実際
出月 康夫
1
,
北野 正剛
2
,
若林 剛
3
1埼玉医科大学総合医療センター外科
2大分医科大学第1外科
3慶應義塾大学医学部外科
pp.452-463
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4425900148
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出月(司会) わが国に腹腔鏡下手術が導入されてから7年になりますが,腹腔鏡下胆嚢摘出術は,胆石症に対する標準手術としてほぼ定着しております.そのほか,胃癌,大腸癌,あるいは脾臓疾患に対する脾の摘出などはかなり普及しています.さらに最近では,ヘルニアやほかの臓器に対する手術も少しずつ行われ,肝臓もその対象の1つといえます。しかし肝臓に対する腹腔鏡下手術は,まだいろいろな点で解決すべき問題があると思われます.
現在,わが国で実際にどの程度行われているかというと,私どもの耳に入っているところでは,1つの施設で10例前後というところが多いようですね.多数例をやった施設というのはまだあまり聞いておりませんが,外国では大きな肝切除なども積極的に行っているところもあるようです.例えば3年ぐらい前の国際学会で,フランスのカクーダが右葉切除を腹腔鏡下だけで行っているビデオを見たことがあります.それに比べわが国では手術も限られており,肝臓に対する右葉切除や左葉切除などはまだ少ないと思います.
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