特集2 ERスタンダード 心不全—「っぽい」の核心をとらえて,しっかり対応する!
【Part 2】「心不全」としてやってみよう
【コラム5】メカニカルサポートの話—IABP,IMPELLA®,ECMOの要否見極めの鍵と注意点
安積 佑太
1
,
小船井 光太郎
2
Yuta AZUMI
1
,
Kotaro OBUNAI
2
1神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
2東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科
pp.312-317
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200087
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救急外来では,時に劇症の心不全・心原性ショックに遭遇する。原疾患としては重症急性心筋梗塞が最も頻度が高く,そのほか慢性心不全の急性増悪,弁膜症,不整脈,急性心筋炎などと多種多様である。予後は個々の症例で異なるものの全般的に悪く,30日死亡率はおおむね50%程度と知られている1〜3)。
初期診療ではバイタルサインの安定化を図りつつ,原因検索を行い,可能なかぎり早期に治療を開始する。ただ,薬物療法では循環を維持できず,メカニカルサポートによる循環補助,肺機能の代行が必要となることがある。日本で多く使われているこの機械的循環補助はIABP,IMPELLA®,VA ECMOであり,それぞれに特徴と使用に適した病態がある。では,薬物療法の限界点,メカニカルサポートの要否はどのように決定しているのだろうか? 各種デバイスはどのように選択しているのだろうか? 本稿では,心原性ショックに対するMCSの現状と,各デバイスについて特徴と適応を解説する。
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