別冊秋号 オピオイド
PART2 基礎編
26 オピオイド誘発性痛覚過敏
中川 貴之
1
1京都大学医学部附属病院 薬剤部
pp.169-174
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200308
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
オピオイドを長期間あるいは高用量使用すると,鎮痛耐性ばかりか,逆に痛みを誘発することがあり,この現象をオピオイド誘発性痛覚過敏opioid-induced hyperalgesia(OIH)と呼ぶ。OIHは実験動物や培養細胞を用いた基礎実験で研究が進み,そのメカニズムも解析されてきた。鎮痛耐性とOIHは一部共通のメカニズムを有し,表裏一体とも捉えられるが,OIHを臨床で評価することは難しい。
本稿では,基礎研究で明らかになった両者のメカニズムとそれらの類似点と相違点,臨床研究からみえてくる多様性や対処法などについて概説する。
Copyright © 2022, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.