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I.はじめに
一般にSEPは,たとえば正中神経を皮膚上から電気的に刺激して誘発される。これら末梢神経は混合神経であるから,もちろん運動神経も含まれるが,SEPが頭皮上から誘導されることは,求心性知覚線維が刺激されたことによる。求心性知覚線維には,深部感覚また皮膚感覚に関する知覚線維,さらに皮膚感覚には原感的(protopathic)な触・圧感覚と痛覚・温度覚や識別的(epicritic)な触・圧感覚に関する知覚線維が含まれる。末梢神経を皮膚上から電気的に刺激して,対側体知覚領相当部頭皮上から得られるSEPは,これらすべての求心線維が刺激されて生ずるものなのであろうか。
神経刺激によるSEPを生ずる上行性伝導路に関しては,及川(1978)が総説したように,SEPの早期成分および後期成分の一部がともに後索路,内側毛帯,視床VPL核の系に由来するという説の方が強い。これはDesmedt(1971)やHalliday(1975)の感覚喪失患者やVPL核実験障害例などの結果からの総説的結論である。であるとすると,外側あるいは前脊髄視床路を経由するインパルスは,電気刺激によるSEPには寄与しないのか,という疑問が生ずる。一般には,痛覚は外側脊髄視床路によると考えられている(たとえば草間,1967や草間ら,1977)。
Abstract
Many authors have suggested that the early components and some of the late ones in somato-sensory evoked potentials (SEPs) elicited by elec-trical stimulation of the median nerve depend mainly on impulses coming up via the dorsalcolumn-medial lemniscus pathway. On the other hand, the investigators who paid attention to the anterolateral spinothalamic pathways in relation to the genesis of the SEP seem to be a few.
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