別冊秋号 オピオイド
PART1 臨床編
2 術中のオピオイド使用により痛覚過敏は起こるのか
紙谷 義孝
1
1岐阜大学大学院医学研究科 麻酔科・疼痛医学
pp.9-14
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200284
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2006年から使用可能になったレミフェンタニルは,全身麻酔のゲームチェンジャーとなった。そのキレの良さから術中の鎮痛に困ることはなくなり,多くの全身麻酔がいわばオートマチックで行えるのは最近の麻酔科医たちにとっては当たり前のことになっている。しかし,いくらキレが良いからといって,不必要な大量投与を漫然と行うと後でしっぺ返しを食うことになる。オピオイド誘発性痛覚過敏opioid-induced hyperalgesia(OIH)や急性耐性により,術後の患者がかえって強い痛みに苦しんでいる可能性があるからである。
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