別冊秋号 オピオイド
PART1 臨床編
5 術中オピオイド使用と術後鎮痛のIV-PCAはどうするのか
飯嶋 哲也
1
1山梨大学医学部 麻酔科
pp.31-35
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200287
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安堵の表情とともに「ありがとうございました」とはっきり感謝の言葉を口にして手術室を去る患者の姿を見送るとき,麻酔科医は最もやりがいを感じるだろう。ところが,その数時間後に病棟回診に行って術創の痛みのために悶絶している患者の姿を見たとき,麻酔科医が積極的に病棟での疼痛管理にかかわるシステムがなければ,麻酔科医にとって「アウェー」である病棟では,なすすべがない。麻酔科医ができる唯一のことは,レスキューをできるだけ早く投与してほしいと病棟の担当看護師に依頼することだけである。
令和4年度の診療報酬改定で,「術後疼痛管理チーム加算」が新設された。これをきっかけに,麻酔科医が積極的に病棟に出向いて術後疼痛管理の支援を行うようになってほしい。麻酔科医が病棟に出向くための橋頭堡になるのが手術室で開始される患者自己調節鎮痛(PCA)だろう。とりわけ経静脈(IV)-PCAは硬膜外PCAと並ぶ強力なツールである。
PCAの原理などの詳細は,聖マリアンナ医科大学 井上莊一郎 教授が監修の医療者向けサイト1)『術後痛の教室』を勧める。
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