症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 2
硬膜外麻酔を予定していたのに抗血栓薬を前日まで服用していた—IV-PCA派:硬膜外PCAとの安全な共存を!
飯嶋 哲也
1
IIJIMA,Tetsuya
1
1山梨大学大学院総合研究部医学域臨床医学系 麻酔科
pp.284-285
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200159
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症例
75歳の男性。身長165cm,体重60kg。既往歴に,慢性閉塞性肺疾患(COPD),心房細動,糖尿病,高血圧がある。進行胃癌の手術目的に他院より紹介され,手術2日前に入院となった。手術前日の麻酔科術前診察の際,前医から中止するように指示されていたダビガトランエテキシラートを入院当日(つまり,昨日)まで服用していたことが判明した。抗凝固療法をヘパリンの持続投与に変更し,1週間手術は延期とした。ところが本日,上腹部痛を訴えたため精査したところ,胃穿孔による汎発性腹膜炎を起こしていることが判明し,緊急開腹術となった。
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