ドライアイリサーチアワード受賞論文解説
BUT短縮型ドライアイ患者における角膜痛覚過敏
田川 義晃
1
1北海道大学病院眼科 医員
キーワード:
BUT短縮型ドライアイ
,
角膜知覚神経
,
Cochet-bonnet角膜知覚計
,
角膜痛覚過敏
Keyword:
BUT短縮型ドライアイ
,
角膜知覚神経
,
Cochet-bonnet角膜知覚計
,
角膜痛覚過敏
pp.26-28
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.15.01_0026-0028
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涙液層破壊時間(BUT)短縮型ドライアイは,BUTが5秒以下と短縮しているものの,涙液量は減少せず,角結膜上皮障害もあまり強くない,他覚的にはドライアイの軽症例と考えられることが多いが,軽度の他覚所見からは説明困難な非常に強い自覚症状を感じていることが知られている。1995年に戸田らがOphthalmology誌に発表して以来1),眼科臨床においてはよく知られている疾患名だがいまだに他覚所見と自覚症状の乖離の原因は十分に解明されているとは言い難い。そして実臨床では,眼科医から患者に治療すべき他覚所見がないので大丈夫であると告げても一向に満足せず,なにをどう治療するべきなのか外来で困惑する疾患の一つであるといえる。このBUT短縮型ドライアイの自覚症状と他覚所見の乖離の原因として,角膜知覚神経の感受性に何らかの変化が生じているのではないかと考えたので,Cochet-bonnet角膜知覚計(図1)を用いて検討を行った。「KEY WORDS」BUT短縮型ドライアイ,角膜知覚神経,Cochet-bonnet角膜知覚計,角膜痛覚過敏
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