徹底分析シリーズ 気道管理“気導道”免許皆伝を目指して(前編)
オピオイドと筋硬直,喉頭痙攣—いつ起こる,なぜ起こる,その時どうする?
川上 定俊
1
,
河野 達郎
2
Sadatoshi KAWAKAMI
1
,
Tatsuro KOHNO
2
1千葉大学大学院医学薬学府 先端医学薬学専攻
2国際医療福祉大学 成田病院 麻酔・集中治療科
pp.438-442
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202515
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「患者が眠ったらマスク換気して筋弛緩!」から「眠ったら筋弛緩してマスク換気!」へと麻酔導入は変化してきた。以前と比べ,麻酔導入時に換気困難(筋硬直や喉頭痙攣)を感じる場面は減ってきている。むしろ近年は声門上器具での麻酔管理の後に,筋弛緩を拮抗した途端に喉頭痙攣を起こして換気困難となった報告が散見され,課題となっている。米国ではオピオイド依存が社会問題となり,オピオイド関連死の原因として,オピオイドによる呼吸抑制のみでなく,特にフェンタニル類似体による呼吸筋の硬直〔wooden chest syndrome(WCS)と呼ばれ,突発性の喉頭痙攣,胸壁筋の硬直,横隔膜の硬直を特徴とする〕が注目されている。
本稿では,オピオイドによる筋硬直および喉頭痙攣の機序,予防,対応策について概説する。
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