連載 スクラブ・ナース 2年生・22
疼痛管理―オピオイドの使用
鈴木 美穂
pp.283
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100653
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日本では,麻薬と聞くと,すぐに癌性疼痛コントロールの最終手段といったイメージを描くのではないだろうか。しかし,アメリカでは,癌性疼痛だけでなく,術後の疼痛管理や神経痛や腰痛などの慢性疼痛に対しても,モルヒネ,コデイン,オキシコドン,ヒドロモルホン,フェンタニールパッチなどのオピオイドをルーティンに使う。医療施設認可合同委員会(JCAHO:Joint Commission on Accreditation of Healthcare Organizations)の基準でも,適切な疼痛管理の実施は重要な評価項目になっている。
先日,椎弓切除術後の患者が痛みを訴えていたとき,ジャマイカから来たばかりのナースが「ジャマイカでは術後の疼痛管理にオピオイドは使わない。そんなに痛いはずがない。麻薬常用者なのではないか」と言って,モルヒネ静注の疼痛時オーダーがあるにもかかわらず,投与せず,問題になった。彼女の麻薬に対する抵抗感は理解できるが,彼女の個人的信念のみに基づいて,ケアを行なっていいものだろうか。
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