別冊春号 2021のシェヘラザードたち
第23夜 ほんとうにあれでよかったのか!?—解答のない問いへのベストアンサーを求めて
志賀 卓弥
1
1東北大学病院 集中治療部
pp.147-151
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200213
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私の駆け出しの頃のあだ名は「死神」。どの病院にも,その人が当直すると荒れる,といわれる先生がいたりするが,私もその一人で,救急当直をすれば,CPAのオンパレード,ホットラインはICU,HCUが満床になるまで鳴りやまず,麻酔に入れば,大量出血,VT/Vf,救急外傷と,いわゆる「お祭り」になるのである。そのため,一緒に当直する上級医から「死神と一緒だな」と,からかわれるのであった。
グリム童話に出てくる死神なら,貧しい男に頼まれて名づけ親になった子に,人の寿命がわかる力を与え,評判の名医に仕立て上げたが,今夜お話しする,死神とあだ名された私の昔話は,答えのない物語,あなたならどう対応しただろうか。
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