特集 感染症3
Part 4 薬剤編
16.エビデンスに基づき長期抗菌薬投与の経口スイッチの妥当性を検討する—Pros:入院期間短縮と静脈ライン関連合併症回避にメリットあり
堀越 裕歩
1
Yuho HORIKOSHI
1
1東京都立小児総合医療センター 感染症科/免疫科
pp.673-676
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901075
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感染症の内服治療の利点は,外来治療が可能となり,入院に関するものでは特に静脈ライン関連の合併症が回避可能なことである。また一般に,医療経済的にも安価で,安全かつ有効な内服治療が可能であれば,望ましい治療の選択肢となる。薬剤耐性対策として,世界的に抗微生物薬の適正使用が推進されているなか,従来は入院により行われていた感染症の治療が,外来にシフトしてきている。特に静注抗菌薬の投与期間が長く,長期入院を要する感染症では,経口抗菌薬へのスイッチ,あるいは外来での静注治療が模索されている。
本稿ではProsの立場から,静注抗菌薬で治療されることが多い感染性心内膜炎infective endocarditis(IE),骨髄炎,脳膿瘍の3つの病態で,経口抗菌薬による治療を支持するエビデンスを概説する。
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