第44回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/神戸 《パネルディスカッション》回復期病棟におけるリハビリテーションの実学―座長/山鹿眞紀夫・西村 尚志
回復期リハビリテーション病棟の入院期間短縮は可能か
古閑 博明
1
1熊本リハビリテーション病院
pp.438-443
発行日 2008年7月18日
Published Date 2008/7/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
2006年4月の診療報酬改定でリハビリテーション(以下,リハ)診療体制が大きく変更された.総合リハ体制から疾患別リハ体系となり,一定条件下では1日に算定できる単位数が6単位から9単位となり,早期集中リハが可能となったが,リハ算定可能な日数が除外規定はあるが制限された.回復期リハ病棟に入れる発症からの期間が短縮され,疾患ごとに差はあるが,回復期リハ病棟入院可能な期間も大幅に短縮され,急性期病院だけでなくリハ病院も入院期間を短縮する努力がより必要となった.ただし入院期間を短縮しても在宅復帰率の低下は避けなければならない.熊本市及びその周辺は病院の機能分化が進み,急性期病院と回復期リハ病棟を持つリハ病院の連携が進み,急性期病院の平均在院日数が急激に短縮した地域である.急性期病院はリハ病院と早期転院のシステムを構築すれば平均在院日数は短縮するが,在宅復帰を目的とする回復期リハ病棟で入院期間短縮が可能であろうか.当院は225床で,医療法上全床一般病床で,診療報酬上は回復期病棟を2病棟(110床),一般病棟2病棟(115床)で運営している.回復期リハ病棟入院疾患は脳卒中が過半数を超え一番多く,次に大腿骨頸部骨折,頸脊髄損傷の順で,この3つの疾患で3/4を占めている.当院の回復期リハ病棟入院期間短縮のための在宅に向けての取り組みを紹介し,その結果を考察する.
Copyright © 2008, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.