抗菌薬の投与推奨期間

Summary

▪抗菌薬の投与期間は，抗菌薬を処方する医師にとって必ず直面する課題の一つである．近年，薬剤耐性菌対策の観点から抗菌薬の適正使用が注目されている．

▪安全に感染症を治療しつつ，耐性菌の選択圧を下げ，かつ副作用を減らす近年の抗菌薬適正使用のコンセプトは「shorter is better」である．

▪実際の臨床現場では経過が良好な症例やドレナージがうまくいかず難渋する症例などさまざまである．

▪抗菌薬の投与期間は，抗菌薬を開始した時点だけでなく，その後の臨床経過で判断すべきである．推奨される抗菌薬の投与期間は，まだエビデンスが十分に確立されていないため，最新の知見を踏襲しつつ個別化した判断が必要である．