交見室
癌告知について/入院期間短縮の試み
北島 清彰
1
1北島病院泌尿器科
pp.898-899
発行日 1996年10月20日
Published Date 1996/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901926
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本紙50巻1号の座談会「泌尿器科悪性腫瘍を考える」の中で,癌の告知については特に興味深く読ませて頂きました。さらに5号の交見室で三浦猛先生が「患者は知りたがっている」で癌告知にについての実践や考え方について述べていらっしゃいます。8号の荒木徹先生はご自身が行っている癌告知と考え方を述べています。私も三浦先生,荒木先生のご意見に全面的に賛成です。日本も情報公開,癌告知の時代になって非常にいいことだと思いました。そこで,癌告知について私の考え,実践について少し述べさせて頂きます。以前にUSCのDr.Skinnerのところでpostdoctoral trainingを行っていたとき,彼らが患者に癌の告知と治療,手術の成功率,予後をパーセントで示し,必ず論文のコピーを渡して説明していました。帰国後積極的に癌病名を告知し,治療,対策を話すように努めてきましたが、彼らと同じようにすべての患者に告知をすることはできませんでした。1989年に郷里で病院経営をすることとなり,東京の患者さんと一緒に病気に対処することができなくなりました。病気に対し患者,家族と一緒に戦うことを自分の目標としてきましたので,東京を離れることで患者さんの対処方法でずいぶん迷いました。そこで1か月に1回,母校の大学病院で診察を続行することで患者さんと家族の方たちに納得を頂き,その後8年間診療を続けています。
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