特集 総合内科のための集中治療
Part 2:システムごとに診る
【ミニコラム②】集中治療におけるシミュレーショントレーニング—「酸素の需要と供給」にかかわる基本的な技能と考え方を習得するために
宮部 浩道
1
Hiromichi MIYABE
1
1総合大雄会病院 集中治療科
pp.266-268
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900672
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個別の臓器によるのではなく,全身の問題を評価,診断し介入しなければならないという点において,総合内科と集中治療は実は非常に近い領域であるといえる。幅広い視点で診断,治療を考えることができる総合医が,重症患者の診療に必要な「酸素の需要と供給」にかかわる基本的な技能と考え方を有していることは,重症患者の診療にあたり非常に有益であろう。
2000年前後に心肺蘇生のシミュレーショントレーニングが普及して以降,外傷,産科救急,内科救急などの救急集中治療領域において,各種のシミュレーションコースが行われてきた。それらは,この酸素供給の確保という基本的な考え方を共有している。気道・呼吸・循環・意識を評価し介入する,いわゆるABCDアプローチとよばれる考え方である。
本稿では,総合医がこの酸素供給にかかわる手技・考え方を習得するのに役立つシミュレーショントレーニングについて紹介する。
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