特集 腎疾患2
【腎疾患管理に必要な知識】
【ミニコラム②】腎臓再生医療2018—ここまでの進歩と見えてきた問題点,今後の展望
松本 啓
1
,
横尾 隆
1
Kei MATSUMOTO
1
,
Takashi YOKOO
1
1東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科
pp.30-35
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900505
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最近では再生医療という言葉が頻回にメディアを駆け巡り,あたかも近い将来,すぐに実現するかのごとく取り上げられている。もちろん,iPS細胞がもたらした利益はあまりにも大きく,再生医療研究は加速度を増し,現在でも日々多くの新しい知見が報告されている。一方で,科学的根拠の乏しい“再生医療という名の”治療を自由診療で患者に行い,障害を残したり,死亡するような事故も報道され,迅速な法整備,ならびに再生医療を行う医師の高い倫理観が求められているのも事実である(臨床メモ)。
腎以外の分野では,例えばiPS細胞由来網膜上皮細胞シートのヒト臨床治験が行われ,心筋に関しても,iPS細胞由来の心筋シートの治験がもうすぐ実現しそうである。
それでは,腎臓はどうであろうか。本稿では腎臓再生医療の現在までの進歩と現時点での問題点,そして今後の展望に関して述べてみたい。
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