特集 心不全
Part 3:ICU,病棟での心不全管理
11.Case 6:Wet and Coldをどう脱するか?—Nohria-Stevensonの分類での評価と治療のポイント
河野 裕之
1
,
北井 豪
1
Hiroyuki KONO
1
,
Takeshi KITAI
1
1神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
pp.975-984
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900624
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急性心不全患者の診療において,どのように病態を把握し,治療を進めていくのか。最も基本的なことであるが,いまだにchallengingな領域である。病歴,身体所見を基本とし,胸部X線,心電図,心エコーのような基本的な画像診断,あるいは血液検査,バイオマーカーを総合的に判断していくことになる。重症例や血行動態の判断に迷う際には,躊躇せず,遅滞なく右心カテーテル検査をすることも必要であるが,初療においては,まずはそれ以外の情報から心不全の診断もしくは型の分類を行い,アプローチすることが必要である。
この視点で心不全の病態を分類したのが,2002年にNohria A,Stevenson LWらによって提唱されたNohria-Stevensonの分類である(図1a)1)。本稿ではWet and Coldの症例に焦点を絞り,「Wet」と「Cold」をどのように診断し,どのような治療を進めるのがよいのか,考えてみたい。
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