Bedside Teaching
Wet Lung
池田 和之
1
Kazuyuki Ikeda
1
1東京大学医学部麻酔科学教室
1Department of Anesthesia, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.231-233
発行日 1972年3月15日
Published Date 1972/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202362
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wet lungという名称は診断名ではない。元来,肺ならびに気道系に液体が貯留し,それとともに肺のガス交換,酸素化能が障害された状態をwet lungと称した1)。したがってこのwet lungの状態は各種心肺疾患にともなって一般にみられるわけである2)。しかし,最近ではこの語は肺の間質に水分が貯留した状態すなわち間質性肺水腫interstitial pulmonary edemaの場合に限定して用いられるようである3)〜5)。
外傷,ショック,人工心肺,大手術のあとに肺不全が続発することがあり,それぞれ外傷後肺不全,ショック肺,ポンプ肺,post-perfusion lung syndrome, adult respiratory distress syndromeなどと呼ばれ,関心が寄せられているが,これらの経過中,間質性肺水腫を合併することが多いのでwet lungという語をよく耳にするようになった。
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